遊び方
60秒で、たくさん入れるほど勝ち。台湾の夕方、路地に「エリーゼのために」が流れたら、ゴミ収集車が来た合図。ママチャリで追いかけて、ゴミ袋を放物線で車の後ろの投入口へ投げ入れましょう。大きい袋も小さい袋も1袋は1袋。外しても減点も時間のロスもなく、ひとこと言われるだけです。
運転はおまかせ、あなたは投げるだけ。自転車は勝手にこいで収集車についていき、距離は近づいたり離れたり。前を人が横切るときは、まずスピードを落として先に通し、間に合わなければ横によけ、それでもだめならブレーキをかけてベルを鳴らします。道の穴もたいてい少しよけます。収集車は時速11〜18 kmで走ったり止まったりしながら、後半ほど速くなります。
ふだんは投入口の後ろを、少し左・真後ろ・少し右のどこかで走ります(台湾は右側通行なので右寄りがいちばん多め)。しばらく同じ位置を走ってから、ゆっくり次の位置へ移るので、左右にはあまり動きません。右寄りといってもほんの少しで投入口の後ろにいるので、まっすぐ上にはじけば入ります。人をよけるときは横へ少し多めに寄るので、投げる方向もそれに合わせて。道ばたへ投げたいときは寄っていかなくても、左上・右上へ斜めにはじけば届きます。45°くらいだと道ばたのバイクに当たり、もっと寝かせるとバイクを越えてアーケードに飛びこみます。
指を上にはじく=投げる。離す直前の指が速いほど袋は遠くへ飛び、思いきりはじけばその袋の全力です。斜めにはじけばそちらへそれ、大きく斜め(左上・右上)にはじくと道ばたまで飛びます。投げる角度は40°で固定、決めるのは強さと左右だけ。画面(か右下のカード)をタップすると、持っている袋をいちばん後ろに回して、0.4秒で次の袋を持ちます。
距離の見かた:上の数字は、手から投入口までのメートル数。となりの「接近中」「離され中」で、どちらの車が速いかわかります。袋の下には影ができ、前の袋の軌跡が車の後ろにうっすら残るので、短かったのか遠すぎたのかがわかります。
入ったと認められるのは:袋がまるごと投入口を通り抜けて、枠の内側に入ったとき。後ろの扉は斜めで、投入口は後ろ上を向いていて、車とほぼ同じ幅です。下のふちに当たって転がり込んでも、上の斜めの板に当たってすべり込んでもOK(「ギリセーフ!」)。短い(ステップの生ゴミ用バケツに当たるのも短い扱い)、両側の枠に当たる、斜めの板に当たって跳ね返る(これも枠に当たった扱い)、屋根に乗る、横にそれる、人に当たる、はどれもダメです。入らなかった袋は道に残り、ひくとガタンと揺れます。
時間切れになると音楽が止まり、収集車は走り去ります。まだ飛んでいる袋は、落ちるまで待ってから集計。最後に「収集記録票」がもらえます。入れた袋数、命中率、最長の一投、小言の回数、そして称号です。
指だけで遊べます。スマホを傾けないので、「モーションと画面の向き」へのアクセスも求められません。
PCは、マウスを押したまま上にドラッグして離すと投げられます。左上・右上へドラッグすると道ばたへ投げられます。
4種類のゴミ袋
ゴミ袋は、台北市の指定ゴミ袋の4つの容量に合わせています。大きいほど重く、全力でも近くまでしか届きません。逆に5 Lは軽いので、思いきりはじくとよく屋根を越えてしまいます。軽く上に押し出すくらいで十分です。14 Lを思いきりはじくと、たいてい投入口の上の斜めの板に当たって、そのまま中にすべり込みます。1袋は1袋で、大きい袋でも多くは数えません。遠すぎるときはタップして小さい袋に持ちかえるか、収集車が止まって近づいたところで大きい袋を投げましょう。
- 5 L
- 重さ
- 0.6 kg
- 全力投球
- 11.2 m/s
- 届く距離
- 約 10.8 m
- 持ちかえ
- 0.45 秒
- 出る割合
- 3/10
- 14 L
- 重さ
- 1.7 kg
- 全力投球
- 8.8 m/s
- 届く距離
- 約 8.4 m
- 持ちかえ
- 0.60 秒
- 出る割合
- 4/10
- 25 L
- 重さ
- 3.0 kg
- 全力投球
- 7.4 m/s
- 届く距離
- 約 6.6 m
- 持ちかえ
- 0.75 秒
- 出る割合
- 2/10
- 33 L
- 重さ
- 4.0 kg
- 全力投球
- 6.7 m/s
- 届く距離
- 約 5.6 m
- 持ちかえ
- 0.90 秒
- 出る割合
- 1/10
「届く距離」は、2台が同じ速さ(収集車は時速15 km)で、方向がぴったり合っているときの、手から投入口までの距離です。重さは家庭ゴミ1リットルあたり0.12 kgで計算しています(袋はたいてい満杯ではないので)。全力は、両手で頭の上から投げる動作の実測式(Marques 2010)に0.87を掛けて、もう片方の手でハンドルを握っているぶんを差し引いています。
投げた袋は自転車の速さを持っている。袋の地面に対する速さ=自転車の速さ+手で投げた速さ。収集車より速いとき(接近中)は入れやすく、離されているときは同じ投げ方だと手前に落ちるので、少し強めに。
空気はついてこない。空気抵抗は、袋の地面に対する速さで決まります。速く走るほど、軽くてふくらんだ袋ほど、手前に落ちやすくなります。
投げると反動がある。33 Lを全力で投げると、自転車は時速1 km近く遅くなり、車体がぐらっと揺れます。
道で起きること
じゃまはどれも目に見えて、ルールがあります。いきなり降ってくる罰ではありません。
- つかず離れず自転車が保とうとする距離は3.6〜6.4 mのあいだをゆっくり行き来し、6〜10秒でひとめぐりします。収集車は3〜5秒ごとに速さを変えます。「接近中」が出たら投げどきです。
- 3回止まる13秒、31秒、49秒ごろに減速して、4〜5.5秒止まります。自転車は3 mくらいまで近づくので、大きい袋はこのときに。車の後ろには近所の人が2〜3人並んでゴミを出していて、低い放物線のじゃまになります。
- 急ブレーキ20秒をすぎると、速さが変わるたびに35%の確率で急ブレーキ(前に何かがある)。1回のプレイで多くても1回です。
- 圧縮中6袋入るごとに(あなたの分と近所の人の分を合わせて)、黄色いランプが光ってピピッと1秒鳴り、続いて圧縮板が下りてきて投入口をふさぎ、中へ2回押し込んでから、3秒ほどで上がります。板が下りている間に投げた袋は板に当たって跳ね返され、清掃員が「圧縮中!」と叫びます。
- 横切る通行人買い物カートを押すおばあちゃん(遅くて幅が広い)、小学生(速くて背が低い)、歩きスマホの人(途中で立ち止まる)、犬の散歩のおじさん(人と犬とリード)が、軒下から出てきます。自転車はまずスピードを落として先に通し、間に合わなければ左右によけ、それでもだめならブレーキをかけてベルを鳴らします。袋が人に当たったら、その袋はノーカウントです。
- 穴・側溝のふた通るとガタンと揺れて少し遅くなり、その瞬間に投げると方向も強さもぶれます。見えている穴は自転車がたいてい早めに少しよけます(近くで気づいたときはそのまま乗り越えます)。側溝のふたはたいていそのまま乗り越えます。入らなかった自分の袋も道に残り、ひくと同じように揺れます。
- 横に投げる左上・右上に斜めにはじくと、袋は道ばたへ飛びます。45°くらいならアーケード前のバイクに当たり、もっと寝かせる(真横に近い)とバイクを越えてアーケードに飛びこみます。アーケードの前にはバイクが斜めにずらりと並んでいます。サイドスタンドで止めてあるバイクは、大きい袋(25 L・33 L)が側面の上のほうに当たるとよく倒れ、隣のバイクにのしかかってドミノ倒しに。一列まるごと倒れることもあり、盗難防止アラームが鳴ってウインカーが点滅するものもあります。14 L ではまず倒れず、5 L はびくともしません(アラームが鳴るくらい)。センタースタンドのバイクや、前後逆向きに止めてある列は倒れません。その袋はノーカウント。バイクは人のものなので、倒しても点にならず、ごほうびも一切ありません。記録票には倒した台数だけが残ります。
- だんだん速く最初の20秒は収集車の最高速度が時速15 km、そのあとは時速18 kmまで上がります。5袋入れると速さの変わり方が激しくなり、10袋入れると通行人が増えます。最後の10秒は「エリーゼのために」がテンポアップ。
清掃員にツッコまれる
入らなかったら、車の後ろの清掃員2人がひとこと言ってきます。左は勤続20年の班長、右は新人です。外し続けると、口調がどんどんエスカレート:1回目は外れた理由に合わせた注意、2回目はイライラ、3回目は心が折れて、4回目からは首をふるだけで何も言わなくなります。1袋入ればリセット。
言われても減点も時間のロスもなし。吹き出しは話している人の頭の上に出て、指のじゃまはしません。
- 注意連続ミス1回目班長もっと寄ってから投げな!新人投入口はこっちです、こっち!班長屋根に乗せてどうすんだ!
- イライラ連続ミス2回目班長それゴミ出し?砲丸投げ?新人バスケの練習ですか?
- 心が折れる連続ミス3回目班長この道二十年、こんなの初めてだ…新人お願いです、定時に帰らせて!
- ほめる3・6・9袋連続…班長ナイス!その調子!新人おみごとです!
- ニアミス毎回ひとこと班長おいおい、投げるな、手で入れろ!新人ぼくに当てないでください!
- 通行人に命中当たった人が言うおばあちゃんちょっと!前見なさいよ!小学生いったーい!…うそだよーおじさんこらこら、犬がびっくりするだろ!
- バイク転倒倒れたらすぐ班長あーあ、バイク倒れちまった!新人あっ、バイクが!すみません!
- ドミノ3台目が倒れたら班長ドミノ倒しじゃねえか!新人全部倒れていきます…!
声はすべて日本語(どの言語版でも同じ音声)で、吹き出しの文字は選んだ言語で出ます。消音にしても吹き出しは出ます。
清掃員に当たりそうになっても、清掃員はよけてひとこと言うだけ。その袋はノーカウントで、ごほうびも一切ありません。清掃員がするのは注意、ストップの声かけ、ぼやきだけ。汚い言葉や人格攻撃はしません。
称号一覧
称号は1回のプレイで入れた袋数で決まり、5袋ごとに1段階アップ。しきい値はまだ仮のもので、スマホでのテストプレイのあとで調整します。
こう作った理由
ゲームの数字はできるだけ本物に合わせ、調べがついたものには出典を書きました。わからなかったものは推定です。
- どうして追いかけるの?台湾全土のゴミ収集ルート4,021本のうち、決まった時間に決まった場所で待つ方式は810本だけ。ほかは道沿いを回りながら収集します。1か所に止まるのは2〜3分、1分たたずに行ってしまうこともあり、「バイクに乗ったり、ゴミを提げて走ったりして収集車を追いかける人がよくいる」ほどです。出典:公視(台湾の公共テレビ)2025-02-21、TVBS 2024-05-13
- 「エリーゼのために」ベートーヴェンが1810年に書いた曲で、作曲者が亡くなって50年以上たっているのでパブリックドメインです。ただし既存の録音には別の権利があるので、ゲームのオルゴール版は自分たちで編曲しました。台湾のゴミ収集車がなぜこの曲を流すのかは、日本から入ってきた、ドイツから入ってきた、役人が選んだ、と説が食い違っていて、はっきりしません。出典:台湾 著作権法 第30条
- 収集車は調達仕様どおり真っ黄色の車体、下のふちが地面から0.9〜1.3 m(ゲームでは1.05 m)の投入口、幅1.6 m以上(ゲームでは2 m、両側は細い枠だけ)、圧縮前に3秒の警告は、どれも台湾の調達仕様のとおり。後ろの扉は台湾でよく見る後ろ積みの圧縮車にならって斜めにしてあり、投入口が後ろ上を向いています。清掃員は後ろのステップの両すみに立ちます。ステップは地面から45 cm以内で、生ゴミ用のバケツが並んでいます。車体に書いてあるのは架空の「幸福里清潔隊」で、実在の市や県も出てきません。出典:共同調達契約〈密閉圧縮式ゴミ収集車の調達仕様〉、環境保護署の草案
- スピード台湾の環境保護署の草案には「車の後ろに人が立っているときは、2つの収集地点のあいだ500 m以内で時速15 kmまで」とあります。最初の20秒はこの上限どおり、そのあとはテンポを上げるために時速18 kmまで広げています。出典:環境保護署の草案、公視 2022-08-11
- どれだけ速くはじけば全力かスマホでスワイプするときのいちばん速い指の速さは、平均で秒速25〜28 cmくらい(2016年の研究、数字は孫引き)。思いきりはじくとその2倍あまりと見積もりました。だから思いきりはじけば全力、軽く上になぞると半分くらいです。強さは離す前のおよそ0.1秒のうち、いちばん速かった瞬間で決まります。指は離す直前にたいてい減速するので、最後の一瞬だけを見ると遅く測れてしまうからです。指を止めて押さえているあいだはスマホが指の位置を知らせてこないので、指が動きだした瞬間から測り、押さえていた時間は平均に入れません。はじく速さはタッチイベントのタイムスタンプで計算し、1フレームごとの移動量は使いません。だからリフレッシュレートの高いスマホでも、どうはじいても最長距離になってしまうことはありません。出典:Bevan & Stanton Fraser 2016(AHFE 2024 からの孫引き)、Android ViewConfiguration
- テンポLeft 4 Deadの「盛り上げる、山場、引く、休む」にならって、12〜15秒追いかけたら、止まった数秒で投げやすくなる、を3セット。言われすぎたら黙るのは、Getting Over Itにならいました。
- 清掃員は注意するだけニュースになるのは、たいてい住民が清掃員をののしったり、物を投げつけたりする側です。高雄の楠梓では、車が止まりきる前にゴミ袋を荷箱へ投げた人が、荷箱の上の清掃員にけがをさせ、過失傷害で拘役(短期の拘禁刑)15日の判決を受けました。清掃員が住民にするのは、ふつうは注意、受け取り拒否、ストップの声かけ。だからゲームの清掃員は、笑えるけれどちょっと気の毒な役回りで、当たりそうになってもよけてぼやくだけ。けがの場面はありません。出典:NOWnews、聯合報(台湾のニュースサイトと新聞)
